第1期 なんと未来創造塾

なんと未来創造塾 事業レポート 3

南砺市富山大学


(3日目)子育ての視点を新しいビジネスに

日 時 2022年10月15日 14:00~16:30
会 場 井波コミュニティプラザ アスモ 2階会議室
講 師 熊本大学 熊本創生推進機構 教授 金岡 省吾(オンライン)

「地域活性化論(3)」子育ての視点を新しいビジネスに


人口減少に歯止めをかけた地域の例を紹介したい。

首都圏も人口減少に悩んでいる
千葉県流山市は、共働きの子育て世代にターゲットを絞り、都市圏の駅を利用し宣伝したことで、5年間で7%の人口増に成功した。
大手民間企業が公共空間の魅力増加に着手、コミュニティの場として再生されたケースも多い。いずれもターゲットに設定されたのは、子育て世代である。

露骨な財政支援がなくてもできることはないか(舟橋村の例)
舟橋村には、予算をかけずに子育て世帯の流入、出生率の増加につながった成功例がある。
子育て世帯の流入で人口が増えたかに見えるが、出生数は依然少ないままで人口は横ばい。テコ入れが必要な局面を迎えていた。
かといって行政の財政支援に頼りきりでは、財政破綻を招きかねない。
「舟橋村で子供を産みたい」と思ってもらえる場所になる必要がある。
そこで、コミュニティ創出の場になることを期待して子育て支援センターがつくられた。資金に限度があったためサービスは不完全だったが、それを補うように利用者が自分のスキルを持ち寄りだし(美容師であればイベントでヘアカットをするなど)、少しずつヒト、コトが集まり始めた。
享受するのみの”完全なサービス”よりも、”関わる楽しさ”が評価され、出生率もあがり、横ばいだった人口は再び増加に転じた。

イベントにも、困りごとの「共感」が必要。共感は、やがてクラスターへ(魚津市の例)
昔のイベントといえば〇〇ショーのような娯楽寄りのもの一辺倒だったが、最近は相談ができる場所などの「共感」を得るタイプのものが支持される。
魚津の、フリーランス子育てママが集まって結成された「cocomama」は、「仕事と子育ての両立を解決するアイデア」が始まりだった。
「みんなで協力して子育てをする」という考えが多くの共感を呼び、最初はちいさなマルシェだったが、ヒトやコトがどんどん集まり、実店舗化やイベント規模の拡大につながった。
「こんな魚津に住んでみたい」と、人口流入のきっかけにもなっている。



グループごとに発表された意見・感想
他地域の例を参考に、南砺市に置き換えて考えた意見が目立った。
・地域同士での人口の取り合いに勝つには?
・コミュニティを求める若年層と、地域のコミュニティが嫌で出ていく若年層の違いは?
・子供を増やすことだけが地方創生の答えではないのでは
・観光や文化資源の魅力発信によって人が集まってもよいのでは
・市内にも魅力のある公園は多いが、人が集まっているとは言えない。もっと活用できるかも
・魅力あるレンタルオフィスもコミュニティが生まれる場所になり得るかも
・南砺市内でも、学校の近くは新しい家がどんどん建っている
・人が集まるとできることも増え、雇用も安定することを再認識
・男性は地域コミュニティに入りづらい?
・姑の話は聞かないけどママ友の話は聞く? 3世帯家族が多い南砺市のコミュニティのあり方は?

お茶会

感染拡大防止のため、3期生も飲食店での交流が難しい状況で、プログラム終了後、希望者のみの意見交換の場が設けられた。

後援
・日本政策金融公庫 高岡支店
協力機関
・熊本大学 熊本創生推進機構
・南砺市商工会
・公益社団法人 となみ青年会議所
・南砺市地域づくり協議会連合会
・公益財団法人 南砺幸せ未来基金
事務局
・南砺市 市民協働部 南砺で暮らしません課
・富山大学 地域連携推進機構 地域連携戦略室
・一般社団法人 なんと未来支援センター(運営支援)


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