日 時 | 2022年12月1日 13:00~16:00 |
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会 場 | 井波コミュニティプラザ アスモ 2階会議室 |
講 師 | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 岩名 礼介 氏 |
高齢者化社会について、田辺・南砺・阿蘇・玉名の4つの塾が参加した。
「変化」する高齢者
高齢者のことは、業種に関わりなくみんなに関係する。
既存顧客が高齢化していく「市場の高齢化」と、高齢者のニーズが増える「高齢者の市場化」の視点を念頭に置きたい。
一般に80歳くらいまでは元気な方が多く、80歳は一つのボーダーラインとして考えられる。それ以降は介護未満の「少し」の支援が必要になってくる(食事がワンパターン化する、立っていられる時間が減るなど)。
これまでの高齢者は戦争を経験した世代で貧しさを知っている人も多く「思いがけず長生きをした」と思う人が多いが今後の高齢者は違う。若い頃に新しい文化に触れ、好みもそれぞれ。高齢者が多様化してくる。「デイサービスに行きたくない」と思う高齢者は既に多い。
「地域包括ケア」が最先端の考え
高齢になると環境の変化に耐えられない。居所が変わって人間関係が変わることは、高齢者にとって大きなストレスになることが科学的に証明されている。
介護保険を使って、体の状態に合わせて施設を転々とすることは悪循環であり、今のコミュニティ(馴染みの関係)を維持できる在宅ケアを目指さなければならない。
専門サービスだけが介護ではない
高齢者を支える若年層の割合が年々減ることは、統計上ほぼ確実である。
人口を操作できない以上、私たちにできることは、高齢者に関わる若年層の割合を増やすことしかない。
業種に関わらず、高齢者が少しでも長くサービスを継続利用できる状況づくりが重要になる(ジムで運動負荷の軽いものを用意する、チラシを読みやすくする、など)。
意見・質問
・今から生まれる子どもたちに明るい未来はないのか・・・
→人口統計上、30年ほどすると高齢者の数も減ってくるので今が辛抱時。
高齢者専用の施設をどんどん増やすと将来負の遺産になるので、高齢サービスを「着脱可能」な状態にしておくことが望ましい。
既存の民間サービスの事例
「ヤマグチ」は家電販売+住まいの困りごとを解決するサービスを実施。高齢者の「何かあったら」という不安に着目した、現代らしいサービス。
「とくし丸」は移動スーパー。定時に同じ場所に来ること、買い物の仕方を見ることが高齢者の見守りにもつながっている。